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2026.03.10

オフィスの稼働率調査方法を徹底解説!無駄なコストを削減するには?

働き方の多様化が進む現在、多くの企業でオフィス環境の見直しが進められています。その中で、総務・ファシリティ担当者様が直面している大きな課題の一つが、「オフィスの適正なサイズや使い方がわからない」という点ではないでしょうか。

テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークが定着した今、これまで通りのオフィス面積やレイアウトでは、無駄なコストが発生している可能性があります。

しかし、現状を把握しようにも、「なんとなく空いている気がする」といった感覚値だけでは、経営層への説得や具体的な改善計画の立案は困難です。

そこで重要となるのが、客観的なデータに基づく「オフィスの稼働率調査」です。
本記事では、オフィスの稼働率を調査することの重要性から、アナログからデジタルまでを含めた具体的な調査方法、そして集めたデータをどのようにオフィス最適化に活かすかまでを徹底解説します。

目次

なぜ今、オフィスの「稼働率」調査が重要なのか

かつてのオフィスは、「従業員全員分の固定席があること」が当然の前提とされていました。しかし、働き方が劇的に変化した現在、その前提は崩れつつあります。

なぜ今、改めてオフィスの稼働率調査に注目が集まっているのか、その背景と課題を整理します。

ハイブリッドワークの普及と空席の増加

新型コロナウイルスの流行を機に、多くの企業でテレワークが導入されました。感染症対策としての緊急的な措置から、現在では「出社」と「テレワーク」を使い分けるハイブリッドワークへと移行しています。

これに伴い、オフィス内には日常的に「使われていない席(空席)」が目立つようになりました。出社率が平均50%であれば、単純計算で半分の座席は稼働していないことになります。

これまで常識とされていた「1人1席」の固定席運用を続けることは、スペースの無駄使いに直結しているのです。

コスト削減と投資対効果(ROI)の最大化

オフィス賃料や光熱費などのファシリティコストは、企業経営において人件費に次ぐ大きな固定費です。経営環境が変化する中で、使われていないスペースに賃料を払い続けることは、経営上の大きなリスクとなります。

一方で、単にコストを削減すれば良いというわけではありません。必要なスペースまで削減してしまえば、業務効率の低下を招きます。重要なのは、「必要な場所に必要な投資を行い、無駄を省く」という投資対効果(ROI)の最大化です。

そのためには、現状のオフィスが「どの程度、どのように使われているのか」を正確に把握する必要があります。

「感覚」ではなく「データ」による判断の必要性

オフィスの見直しを検討する際、よくある失敗が「感覚」に基づいた判断です。
「最近、フロアがガラガラだから席を減らそう」
「会議室がいつも取れないという声があるから増やそう」

こうした担当者の感覚や一部社員の声だけでレイアウト変更を行うと、実際の利用実態とかけ離れてしまい失敗するケースが少なくありません。
例えば、「会議室が足りない」と感じていても、データを見ると「予約はされているが実際には使われていない(空予約)」が多いだけかもしれません。

この場合、必要なのは会議室の増設ではなく、実際に会議室が使われているか調査・分析を実施した後の予約ルールの見直しです。

このように、オフィスの実態を正確な「データ」として可視化する稼働率調査こそが、正しい意思決定への第一歩となります。

オフィスの稼働率を把握するメリット

オフィスの稼働率を調査することは、単なる現状把握にとどまりません。
得られたデータは、様々な経営課題やオフィス課題を解決するための強力な武器となります。
ここでは具体的な3つのメリットをご紹介します。

適正なオフィス面積の算出が可能になる

最も直接的なメリットは、自社にとって最適なオフィス面積を算出できる点です。
例えば、現在の契約面積が100坪で、平均稼働率が40%だったとします。ピーク時の最大稼働率や今後の採用計画を加味しても、適正な面積は60〜70坪で十分かもしれません。

正確な稼働率データがあれば、賃貸契約の更新時に「部分解約」や「縮小移転」といった選択肢を、根拠を持って検討することができます。

データを用いてオフィス計画を進めれば、年間で数百万〜数千万円単位のコスト削減が実現できる可能性もあります。

フリーアドレス導入やレイアウト変更の成功率向上

固定席を廃止し、自由な席で働く「フリーアドレス」を導入する企業が増えていますが、失敗事例も多く見られます。
「席が足りずに座れない」「結局いつも同じ場所に同じ人が座り、固定席化している」といった問題です。

稼働率調査によって「どのエリアが、どの時間帯に、どのくらい使われているか」を把握できれば、適正な座席数を設定することができます。

また、社員の集まるブースやソファ席など、利用頻度の高いエリアを拡張し、使われていないエリアを縮小するといった、社員のニーズに即したレイアウト変更が可能になり、フリーアドレスの成功率を飛躍的に高めることができます。

従業員エンゲージメントと生産性の向上

オフィスの稼働率は、低すぎれば活気がなく寂しい印象を与え、高すぎれば「密」で集中できない環境となります。
データを活用して「適度な賑わいがありつつ、集中できるスペースも確保されている」状態を作り出すことは、従業員の「快適さ・働きやすさ」に直結します。

自分たちが働く環境が、データに基づいて最適化されていると感じることは、会社への信頼感(エンゲージメント)を高める要因にもなります。

働きやすい環境は、コミュニケーションの活性化や生産性の向上といった、数字以上の価値を企業にもたらすでしょう。

【手法別】オフィスの稼働率調査方法と特徴

では、実際にどのようにしてオフィスの稼働率を調査すればよいのでしょうか。
調査方法は大きく分けて「アナログによる調査手法」と「ITツール活用」の2つに分類されます。

それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説しますので、自社の規模や予算に合わせて最適な方法を検討してください。

アナログ調査(目視観測・カウント)

総務担当者などが実際にオフィス内を巡回し、着席状況を目視で確認して記録する方法です。

手順

メリット

デメリット

アンケート調査・利用実績の集計

社員へのアンケートや、既存の設備予約システムのログを活用する方法です。

手順

メリット

デメリット

センサーやビーコンを活用したIoT調査

人感センサーやデスクの着座センサー、PCやスマートフォンのログなどを活用し、自動でデータを収集する方法です。
近年、最も注目されている手法です。

種類

メリット

デメリット

関連記事:会議室予約システムは「センサー型」と「ビーコン型」どっちが正解?

資料ダウンロード:社員満足度を上げるためのオフィス環境の作り方

各調査方法の比較表と選び方のポイント

これらを踏まえると、以下のような基準で選定することをお勧めします。

小規模オフィス(〜50名)または、コストをかけずに一度だけ調査したい場合

中〜大規模オフィス、またはフリーアドレス導入を検討している場合

調査データを活用したオフィスの最適化ステップ

調査によってデータが集まったら、いよいよ改善のフェーズです。
データを集めて満足するのではなく、具体的なアクションに繋げることが重要です。

目標稼働率の設定と現状とのギャップ分析

まずは、自社が目指すべき「目標稼働率」を設定します。一般的に、固定席運用であれば60%〜70%程度、フリーアドレス運用であれば在席率に対して80%〜90%程度の席数を用意するのが効率的と言われています(※業種や働き方により異なります)。

この目標値と、調査で得られた「実測値」を比較します。「特定の曜日に稼働率が跳ね上がる」「午前中は空いているが午後は混雑する」といったギャップを洗い出し、その原因を分析します。

フリーアドレス化・ABW導入の検討

稼働率が全体的に低い(例:平均40%以下など)場合は、固定席を廃止してフリーアドレス化を検討すべきタイミングです。
さらに進んで、業務内容に合わせて働く場所を選ぶ「ABW(Activity Based Working)」の考え方を取り入れるのも有効です。調査データに基づき、「集中作業が多い部署には個室ブースを」「チーム作業が多い部署には大きなテーブル席を」といったように、実態に合わせたゾーニングを行います。

関連記事:【事例付き】ABWとフリーアドレスの違いを徹底解説

会議室・執務スペースの配分見直し

稼働率調査では、エリアごとの偏りも明らかになります。「業務座席エリアはガラガラなのに、会議室は常に満室」というケースはよくあります。

その場合、センサー等のデータで会議室の利用人数を確認してみてください。「6人用の会議室を1〜2人で使っている」頻度が高いのであれば、大会議室を分割して小規模なミーティングブースを増やす、あるいは1on1専用ブースを設置するといった対策が立てられます。

関連記事:会議室の利用状況を可視化してオフィスの無駄をなくす方法

継続的なモニタリングと改善サイクル(PDCA)

オフィスの最適化は、一度レイアウト変更をして終わりではありません。
組織変更や採用活動、事業フェーズの変化によって、オフィスの使い方も変化して行きます。

IoTツールなどを導入していれば、継続的にデータをモニタリングすることが可能です。

「レイアウト変更後に稼働率がどう変化したか」を検証し、さらに改善を加える。このPDCAサイクルを回し続けることこそが、常に快適でコスト効率の良いオフィスを維持する秘訣です。

まとめ:データに基づいたオフィス戦略で、働きやすい環境づくりを

本記事では、オフィスの稼働率調査の重要性とその手法について解説してきました。

オフィスの稼働率調査は、単なるコスト削減に留まらず、「働きやすさ」との両立を実現するための重要な一歩です。
無駄を省き、浮いたリソースを社員が本当に求めるスペースや設備に再投資することで、経営面ではコスト適正化を、社員にとっては快適で生産性の高い環境を提供できます。

まずは現状を知ることから始め、感覚ではなくデータに基づいたオフィス戦略(ファシリティマネジメント)を実行することで、貴社のオフィスはより価値のある場所へと進化するでしょう。

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著者情報

Nimwayメディア編集部

ワークスペース管理やデータ分析を可能にするスマートオフィスソリューション「Nimway」を提供するとともに、フリーアドレスやABWを導入する企業のオフィス環境構築を支援。これからオフィス環境の変革を検討したい企業様に向けて、その経験やノウハウを公開していきます。