記事詳細
空席把握と利用状況分析に課題を感じ導入を検討
ー導入の経緯を教えてください。
本行様:
セガサミーグループは2004年に誕生しましたが、その後もグループ各社は長らく所在地がバラバラでした。そこで、経営の効率を図るべく2018年8月に本社機能を住友不動産大崎ガーデンタワーに集約。管理機能をシェアード化するなど事業構造の効率化にも取り組んできました。そこで新たな課題となったのが、グループを横断するコミュニケーションの形成です。グループ企業間や部署間の垣根をなくし、そこから新たなシナジーを生み出すことを求めていました。
当社は、「感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~」というグループミッションを掲げています。これは我々のすべての活動に紐付くものであり、当然、グループ内コミュニケーションにも関わるものです。そうした考えのもと、2022年4月、本社ビル9階に「FREEPORT(フリーポート)」、10階に「ANCHOR(アンカー)」という新しいワークスペースを設置しました。FREEPORTは業務と同時にコミュニケーションも図れるエリア、ANCHORは会議や集中が求められるような業務に適したエリアです。
長谷川様:
FREEPORTやANCHORの設置には新型コロナウイルスの感染拡大も影響しています。当グループは在宅と出社のハイブリッドな働き方が中心となったことを機にフロアの数を減らしました。会社に固定席を持たない社員も増えた中、従業員が気分転換できたり、インスピレーションを得られるようなオフィスをつくりたいという背景もあり、FREEPORTとANCHORを設置しました。
両エリアとも、設置開始から多くの従業員やグループ各社の社員に利用されています。
その一方で見えてきた課題もあります。例えばANCHORは予定管理ソフトから事前に予約したうえで利用する一方、FREEPORTは予約なしで利用可能です。そのためFREEPORTは実際にワークスペースに足を運ばなければ空席の状況がわからず、全体の稼働率や、どの席がよく使われているのか、何時頃が混雑しやすいのかといったことが把握しにくい課題がありました。
大村様:
利用人数の集計も行っていましたが、時間ごとに何人の利用があったかを目視でカウントし、その数値を手作業でExcelに落とし込むなど、非常に手間がかかっていました。ANCHORは予約制でしたのでFREEPORTよりは正しい数値が取れていましたが、データの情報量が多く、予定管理ソフトからデータを吸い上げるのに時間がかかっていました。
長谷川様:
さらに、FREEPORTには半個室のような席もあり、そこが空席かどうかは少し覗き込むようにしないと確認ができないなど、セキュリティやプライバシーといった点でも問題がありました。これらの経緯から、空席状況を手軽に把握できるシステムの導入を検討し始めました。
手軽さとコストが競合ツールとの比較ポイントに
ー検討フェーズで重視した、または競合ツールと比較したポイントはありましたか?
波多江様:
新しいツールの導入検討にあたり、利用者が新しい手順や使い方を覚える工数が発生してしまうことを懸念していました。そのため、チェックイン時の操作が煩雑にならず、できる限り現状のままで手軽に利用できるシステムであることを重視しました。他社ツールではチェックインにQRコードや社員証を使うものなどもありましたが、Nimwayはアプリのダウンロードや操作が不要で、センサーが人を検知して自動チェックインするスタイルでしたので、最も手軽でした。
本行様:
コスト面も比較検討したポイントです。セガサミーグループが本社を置く大崎ガーデンタワーには5,500名ほどの従業員が在籍していますが、現在実際に出社しているのは平均3,000名ほど。その中でさらにワークスペースを使うのは1日あたり300人程度です。競合のツールの場合、チェックインのために個人ごとにアカウントを作成しなければならないものが多く、アカウント数が増えれば増えるほどコストがかさむ仕様になっていたため、当社の従業員数ではコストが見合いませんでした。その状況を解決すべく複数のベンダー様とすり合わせを重ねた結果、私たちの課題を解決できたのはNimwayだけでした。
※不特定多数での利用の場合に限る
長谷川様:
ANCHORに関して言えば、もともと予定管理ソフトベースで予約・運用していましたので、ソフトと連携しつつWebからの予約が取れるかどうかも重視しました。
ー導入決定後、どのくらいで運用がスタートしましたか?
長谷川様:
初めての打ち合わせが2022年8月末頃で、工事が入ったのは11月後半、正式運用は12月1日からでしたので、約3ヵ月で運用が開始できたことになります。そのスピード感もありがたかったです。
利用状況が視覚的に把握でき定量的な分析が可能に
ー導入後にご苦労された点や工夫された点はありましたか?
大村様:
管理画面からこれまでにないさまざまなデータが取れるようになり、より精緻な分析ができるようになった反面、どのデータをどう分析すべきかをつかむのに時間がかかりました。不明点があるたびに相談に乗ってもらい、細かく教えていただいたことで、今は自分達で分析ができるようになってきました。数字だけではなく、ヒートマップやグラフなど、視覚的にデータが見られるのもありがたいです。
長谷川様:
ANCHOR、FREEPORTともに、エリアの入り口にあるデジタルフロアプラン(デジタルサイネージ)上にマップを表示していますが、最初はそれぞれの階の全体マップを表示していたため見づらさがありました。利用者にとって必要な情報はANCHORとFREEPORTのエリアのみですので、それ以外のエリア表示を省いたり、実際のエリアに合わせた向きに変えたりといった調整をしました。その変更にも迅速に対応していただくことができました。
ーどんなところに導入の効果を感じていますか?
波多江様:
視覚的な効果が大きいです。FREEPORTは実際に行ってみないとわからなかった空席状況を、マップからすぐに、かつリアルタイムで把握できるようになりました。ANCHORにおいても、これまで予定管理ソフトで予約できる仕組みではあったわけですが、ANCHORだけで約40席あり、似たような名前の会議室が多いため、使いたい会議室を探すのに苦労していました。しかしNimwayを見れば視覚的にすぐ目当ての会議室を探すことができ、予約状況も確認できます。利用者の利便性はかなり上がっていると思います。
大村様:
管理側としても、ヒートマップで利用頻度の高い席が理解できる効果は大きいと感じています。実際に分析してみると、私たちが目玉としていた席と、本当に利便性の高い席や利用者が使いたいと思う席が違っていることが見えてきました。席ごとの稼働状況がすべて可視化され、感覚値ではなく定量的に分析ができるようになったおかげです。同じような席でも使用率が低い座席があったときに、それぞれの席の違いを見てみると、モニターの有無などの違いが見えてくるようになりました。そうした根拠をもとにレイアウトの改善や什器の拡充といった取り組みも可能になりました。
手厚く柔軟性のあるサポートに感謝
ーサポート体制はいかがですか?
長谷川様:
手厚くサポートしていただいています。検討段階から、多い時には週に3~4回、わからないことがあればすぐに電話していましたが、いつもすぐに対応していただきました。電話で伝わらない内容の場合はすぐにオンラインミーティングに切り替えていただくなど、さまざまな配慮をしていただきました。
本行様:
非常に柔軟性のある対応に感謝しています。機能面はもちろんですが、その柔軟性も選定のポイントになったと思います。当社が本当にやりたいことに合わせて調整していただきました。
波多江様:
FREEPORTもANCHORも使用率は確実に上がってきていますし、最近チームミーティングでの利用も増えてきているように見受けられます。まずは会議室で話し、よりフランクに話を進めるためにFREEPORTへ移るようなケースも今後増えるかもしれません。これも導入の効果ではないかと思います。
本行様:
FREEPORTの手前にはコミュニケーションエリアと呼ばれるスペースがあるのですが、確かにそこで会話をする人が増えましたね。これは、冒頭にお話ししたような、グループを横断したコミュニケーションが少しずつ生まれ始めていることの表れだと思います。グループ会社ごとの境界を越えて一体感のある風土を作り出すために、FREEPORTが社員間の交流を促進していると感じます。Nimwayのサポートがあったからこそ達成できたことは間違いないと思います。
導入のメリットをグループ内にさらに周知したい
ー今後の活用の展望を教えてください。
長谷川様:
Nimway導入のメリットや利便性をグループ内にさらに周知し、より多くの人に使ってもらえる体制を作っていきたいと考えています。また、今後も機能の最大活用に向けて取り組んでいきたいです。
波多江様:
利用した人たちがFREEPORTやANCHORによってどんな効果が得られたのか、どういう用途で使っているのか、そこからどういうことが生まれたのか。この辺りのデータ取りはこれからです。ここから、本当の意味で具体的な成果が見えてくると思います。その際の分析などにおいてソニーネットワークコミュニケーションズさんとは引き続き連携させていただき、より高い導入の効果が得られるよう活用を進めていきたいと思っています。